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「あなた、やきもの好きですか?」

銀座での初個展の際にギャラリー主から尋ねられた一言である。
ところで、「猪飼さん、やきもの好きですか?」 唐突に言われ、何を意味するのか? 嫌いではないはずだが、なぜ続けているのか、なぜここで個展をしているのなどと考えているうちに、ハイ好きですと即答するタイミングを逃してしまった。「なら、好きになってください。とことん好きになってください。やきものすべてを好きになってください。そこからがスタートよ。」と。

即答しなくてよかった。ましてや大好きです、なんて言わなくてよかった。
私の本気でこの仕事に取り組むきっかけになった第二弾の強烈な言葉でした。一弾目は「師の顔に泥を塗るな!」である。
それから本気で勉強した。過去も現在も。日本も外国も。骨董もオブジェも。茶陶も産地も。すべて。マニアになってしまった。しかし、あの20代後半に聞かれた時も相当好きだったと思う。知識は少なかっただけで。

「あなた、やきもの好きですか?」
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