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誰よりも気が小さく、神経質でありたい
私はとても神経質で気が小さいところがあり、自分でも嫌だなと思うこともある。が、反対にとてもだらしないとこ、意外と大胆なとこ、おおざっぱなところ、意外と男らしいとこ、逆に女々しいとこもあったりする。皆さんはどうかわからないが、いやな自分への反動がそうさせているのか、自分にはない憧れでそう振る舞っているのか、本当の性格はどうなんだろうと思ってしまう。ただ、子供の頃に神経質と言われていたのは事実である。
ある時、祇園の飲み屋さんのお客様たちが団体で陶芸教室に来られたことがあった。派手なお姉さん方に混じり、怖い職業の方もおられた。作り方は様々で、ほとんど私が手助けしていいのができたと喜んでおられる方、日頃はうるさいぐらいにおしゃべりなお姉さんが一言もしゃべらなくなったり、一切私の手助けを受け付けない方など、こちらが本来の性格なのか、日頃とは違う姿を垣間見ることができた。
その中で、強面で大柄な怖い方が小さなぐい呑みを2時間かけて1個作られていた。太い指で小さな盃をそれは丁寧に丁寧に作っておられ、なかなか良い形で感心した。この方も実は神経質で気の小さい方なのかなと思いシンパシーを感じた。
料理人もやきもの屋も究極の神経質で気が小さくないと仕事する資格がないと言われた料理人の方がおられた。誰よりも気配りができ、細かなことに拘り、気の小さい自分への反動が逆を演じられるんだと。そう思うと、もの作りに向いてない性格の方も結構おられるなと思う。
私も根底にある性格が同じような方とは共感できるが、そうでない方とは馬が合わないような気がする。
二時間かけて無言で作られていた怖い方は実は優しく線の細い方なのかもしれない。しかし制作中「誰も声をかけるな」オーラがかなり出ていたのは事実である。
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